2006年10月23日

21日

 山田さんの映画との合同試写会を21日に行いました。


 朝からバタバタで、個人的反省点がすごく多かった一日でした。
 この映画絡みではほんと、自分の詰めの甘さを嫌でも自覚させられます。大きいプロジェクトだし、思い通りにいかないのは当然。でも、どこか自分の中に隙があるような気がします。
 撮影こそ際どく乗り切れたものの、映画は公開&パッケージングにたどり着けてこそ完成。協力して頂いた方々に満足して頂けないようなら、それは失敗です。
 


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 今回見えた課題は、僕にとっての問題であるだけでなく、自主映画製作における共通な問題も含んでいるので、しっかり書いておこうと思います。



@上映作品の問題

 確認したら朝録音してた音楽ファイルにエラーあって、MATHは3シーン以外音楽なしで上映する羽目に。携帯の着信音も入れ忘れてて…。さらに僕の直前作業の不手際で1シーン再生ファイルの順序が変わってたり&フィナーレのカットが古い編集の映像だったり。

 2週間前、ファイル書き出し失敗に気付いたのが、遅すぎた感。
 なんとか「予定1週間遅れ」くらいまで追いつけたものの、そもそものスケジューリングに余裕を持たせるべきでした。
 それから、常にファイルの管理に細心の注意を払わないといけません。
 



Aファイルサイズの問題

 これは直前、前日に気付いたことですが…。
 MATHは純粋に無圧縮aviファイルのデータ。
 使っていた外付HDのフォーマットが「FAT32」(ひとつのファイルサイズが最大で4G)だったから、書き出しの際にわざわざ1シーンの中で数箇所切り刻まないと出力できないという…。
 これが場面の途中で順番が狂うという初歩的なミスを招きましたし、作業効率からしても、映像編集用に外付HDを使う場合は「NTFS」フォーマットにしておくほうがいいと思われます。



B再生ソフトの問題

 WMPは映像と音のタイミングを頭でしか合わせてくれないので、ノートPCでの無圧縮aviの再生には不向き(音がずれる)。
 対策としてReal Playerを使ったのですが、これはまたファイル切り替えスピードが遅くて、ファイル切り替わりごとにマークが出るという…。これはもっとちゃんと確認すべきでした。



C圧縮の問題
 上のAやBの問題は、今回の映画が無圧縮aviベースで行われたことに由来します。

 上の問題を解決するにはmpeg出力するか、aviでcodecかけるかなんですが…僕の持っているmpeg圧縮可能なソフトでは、そもそも2G以上のファイルが扱えないのです。つまり、mpeg圧縮は合成したファイルをもう一度更に切り刻む工程を経ないといけない。
 codec圧縮は出力に時間が掛かりすぎて、気付いてからの短期間では不可能でした。また、圧縮品質によって画質が大きく落ちることがあるため、注意が必要です。




 映画に集中できなかった、という意見が多数。これは僕の製作環境も含めて見直す必要があります。
 何より最初僕が間違えて「上映会」の触れ込みでメールを回してしまって…後々「試写会」で統一したものの、実際はさらに粗いラッシュに近くなってしまったから、『何で?』と言われてもしょうがないですね。


 僕は映画音楽担当の手前、ラッシュから監督さんのやりたい方向性見抜くのは当たり前になってて、音楽やSEが付いてなくても何の違和感も感じずに作品として見れてしまうけど…普通はそうではないことを念頭に置かないといけません。



 でも…仮にも自分の中で、映像は試写を行える一定の完成レベルに達していたので、それが「未完成」に見えたとすれば、僕の表現上の問題ということになります。



 映像のほうは全体的に「主張が読みにくい」という意見。

 実際僕の編集の方向性も『奥を読みながら観てもらう』ものだったから、先のファイル問題と重なって余計に分かりにくかったのもあるでしょう。
 メディアケードの島田さんからはいくつかキーポイントをご指摘頂きましたが、およそ展開の要所の押さえが足らなかったようです。微妙なタイミング含めて。




 映像表現は予告編で見せた「親切」なものから一変して、コアで激しい心理効果を狙うものを多用して…これは是非が分かれたみたいです。
 僕自身、コアを追求したい気持ちと、もっと「親切」なものにしたい気持ちと両方あって、今回の映像は中途半端になってしまったと思います。徹底して、2バージョン作ることを検討中です。



 全体として編集のバランスの問題を挙げられる方も多かったです。1シーン1シーンはいいけど、全体として平坦になってしまっている、と。画としての統一感も課題。ストーリーを主人公の心的内面に絞るなら、簡単に統一感出せるけれど…すごくコアな作風になりそうで、匙加減が難しいです。




 僕自身編集中通じて感じたのは、「役者さんのすごさ」。
 昔のベネズエラ作品は役者は身内で、そんなにキャラクターに主張強くなかったから、音楽でまとめ上げることで作品を統一できたのですが…。

 今回は違います。
 僕の当初の編集コンセプトが歪むくらい、役者さんが生きています。カットも何パターンも撮って、その中で最高なものを繋ごうとしたから、強烈。
 もしこの状態で、いつもの僕の音楽が付けられたら…、たぶんどんな作品にも負けない魅力あるものになるんですけど。越えないといけない壁は高いですね。


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 運営上の反省点が山盛り残った感じ。
 明らかに、自分に可能な仕切りキャパシティーの範囲を超えてたし、団体製作の難しさを改めて実感しました。

 次やるなら、もっと分業しないとダメですね…。撮影は際どく乗り越えられたけど、CGや音楽含んだポスプロとイベント運営絡むと、気が回らない。

 何はともあれ、24名の参加者がいたわけで。お二人除いて全員面識ある状況下とは言え、もう少し気の利いた場にすべきでした。
 


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 大学の友達、なべっちさんの案内で、新大宮のオススメおでん屋にて少し早めに打ち上げ開始。


 映画の話では上のような話やテーマの議論白熱。
 皆さん、やっぱり映画の本完成を待ってくださってるんだな、と改めて感じました。映画製作初めての方がほとんどですし。
 簡単ではないけれど、きちんと問いかけには答えを用意したいところです。


 あと…某人物に関する僕の話で、大いに盛り上がりました。挙句の果てには激しく責められるし…^^; まぁ僕も聞かれたことは嘘なく答えてしまうから。しかし、撮影2日目昼の会話の内容なんかから諸々突かれたのには驚きでした(苦笑。確かに言ってたし、事実です、はい。
 『恋愛多面体』はタイヘンです(笑。



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 3月の第一次撮影の打ち上げもすごかったけど…今回もすごく楽しかったです。「MATH」は打ち上げの神様かもね(^^。

 ただ、宴会が楽しいグループではなくて、残すべき作品の中で問うべきものを問わねばなりません。



 頂いた様々な感想を元に、今は残る編集作業を進める準備をしています。
 当初は試写後1週間くらいで本完成させるつもりでしたが、これからもう一度編集の方向性を立て直して、年内に関係者にDVDをお届けできるようにがんばろうと思います。



 最後に、ご来場くださった皆様、どうもありがとうございました。
posted by 水流ともゆき(監督・音楽) at 12:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 進行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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