2006年07月16日

MATHのアイデア(2)

 予告編の視聴率(?)も好調、とりあえず身内周りから宣伝波及中。



 今回は、"「MATH」ってどーやって思いついたの??"について^^。


 まだ予告編第一弾では詳細明らかにしていませんが…簡単には「シミュレーションベースの都市管理システム」。


 MATHのアイデア自体は中学3年のころの思いつき。
 図書館で読んでいた「ニュートン」(1998年1月号らしい)の記事でフラクタルという数学に触れ、『これは…』とSF空想魂に火がついて…。

 そのとき読んだのは、自然地形のシミュレーションの話。
 このフラクタルをベースに人間を語れないだろうか……と妄想は進んでいきました。


 MATHの初出は半年後に書いたホラー小説。
 犯罪が多発する近未来、犯罪を未然に予知して取り締まるため、"人間方程式"を実装した予測管理システム「MATH」が都市に配備された世界。
 ある一人の男が、その「ヒトの心を読める」裏に潜む、「ヒトの心を支配下に置いて、新たな秩序形成を目指せる」脅威性に気づいたがために、MATHに命を狙われるストーリー。
 どんなに怖くても、MATHの脅威を誰かに知らせたらその人の命まで狙われてしまうジレンマ。守りたい恋人の存在。MATHが浸食していない森の中に逃げるも、自由を取り戻そうとMATHの"基地"に侵入して破壊を試みる…という、まぁよく思いついたなぁ、と今の自分が感心する巧妙なSFホラー小説でした。
 残念ながら、この原本はもう残っていないんですが…。
 ちなみにこれが第1篇で、続いて都市を離れて集団で「MATH」と戦うひとたちの物語を描く第2篇と、戦争後プログラムを小型化&分散化してネットワーク上に拡散したMATH・CHILDとプラグラマーの戦いを描く第3篇を構想していましたが、実現には至らず。



 機会あれば、『MATH 2』としてこっちの話も映画化してみたいです(笑。 ホラーな作品もやってみたいですし^^。
posted by 水流ともゆき(監督・音楽) at 03:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑談about『MATH』 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月23日

MATHのアイデア(1)

 たまには雑談でも…。


 この映画「MATH 時の落とし子」の製作を決めたのは去年の夏前。
 ベネズエラ映画第三弾として、これまでと違う規模の大きなものを撮りたい、という思いがありました。それまで二つ作って、「これくらいならいける」という自信がついたんですね。幸いポスプロに関しては一線級のことが可能で、撮影さえクリアできれば完成できるはずだ、ということでSFに挑むことにしました。
 それ以前に「ブラックボード」という恋愛映画の企画もありました。ただこちらはキャストの数やロケ地確保に不安要素があり…今やるならもっと派手なストーリーのものを撮りたい、ということで停止。
 僕のサイトまりもんすくえあにも掲載しているんですが、ちょうど『MATH』という企画書を一昨年の末に書いていて、その最後のシーン…噴水のシーンなんですけれど、それとイメージのあう場所が、新しい大学院の近くの施設にあったんですね。あ、これはやるしかない、と(笑)。

 かくして、『MATH』の映画化に向けて準備を始めました。ところが今度はストーリーの壁にぶちあたり…。
 2004年度版『MATH』は、大人数のエキストラ(高校シーン)が必要になってきて、知り合いの多い姫路ならともかく、奈良では厳しい。ついでに制御室のロケのしようがない…。ブルーバック+フルCGなんて泣ける作業ですから。

 そんな中、出会ったのが浅山美由紀さんの作品。現代芸術のオブジェです。これを観てインスパイアされたのが、「観念」と「意識」をテーマにしたストーリー。
 主人公を「超能力少女」にすることで、意識の観念的側面を洗い出せないか、と考えました。「超能力少女」自体は、僕の小説「ゆきまりあ」の主人公「りえ」で一度描いたことがあったので、それをベースにまた少し違ったコンプレックスを想定して、より作品と密接なキャラクター像ができあがりました。
 僕もこれをきっかけに現代芸術に目覚め^^、映画の演出やテーマと密接する形でフィーチャーできないか、と検討しました。「MATHシステム」もちょうど僕自身生物学科から情報学科に転身したので、もっと現実的な路線で科学的にも文化的にも面白い「MATH」、特にユビキタス環境と結びつけた描写を増やしました。
 そうしてできあがったのが、新しいストーリーです。


 まだまだ、これから2月半ばまでの間に修正・加筆していき、もっと面白いものに仕上げていきます。特に、あやと順のラブストーリーをボリュームアップしたいですね^^。
posted by 水流ともゆき(監督・音楽) at 03:31| Comment(3) | TrackBack(0) | 雑談about『MATH』 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする